【カナダ】子宮頸がん検診(Pap test)の手順

今回はカナダで受けた子宮がん検診、通称Pap test(パップテスト)に関して、私の経験を基に受診までの流れ、受診当日の様子、料金などについて詳しく紹介しています。

子宮頸がんとは

まず子宮頸がんとは、子宮頸部にできるがんのことです。腟に近い側にできた場合には、婦人科での観察や検査がしやすいため発見されやすくなりますが、より奥の筒状の部分にできると、発見が難しいこともあります。また、進行すると骨盤の中のリンパ節に転移したり、子宮頸部の周りの組織に広がったり、子宮から離れた肺などの臓器に転移したりすることがあるそうです。

早期に発見すれば比較的治療しやすいのですが、進行すると治療が難しいことから、早期発見が極めて重要と言われています。

以下のような症状がある方は早めの受診をオススメします。

  • 不正出血(おりものの異常(茶褐色~黒褐色)、月経以外の出血)
  • 下腹部の痛み
  • 月経不順(月経が来ない、なかなか来ない、または頻繁に来る)
  • 月経困難(生理痛が強い、出血量が多い)

子宮頸がん検診とは

子宮頸がん検診は、日本では20歳から、2年に1回定期的に受診することが推奨されています。カナダでは25歳から69歳までの方が、3年ごと受診することを推奨しています。

子宮頸がん検診では、問診、視診、内診と医師が採取した細胞による細胞診を行います。

月経時での検診では結果が正しく反映されないので、月経時には避けて受診をします。

受診料について

BC州に住んでいる方に加入義務のある政府運営の医療保険【MSP(Medical Services Plan)を利用すれば、無料で子宮頸がん検診(Pap test)を受診できます。

■MSPの加入条件は?

  • カナダ市民権、永住権者:BC州に最低6ヶ月滞在していることが条件
  • ワーキングホリデービザ:週に18時間以上の労働+ビザ残存期間が6ヶ月以上+労働許可証の有効期間中に連続して6ヶ月以上雇用されている+申請から6ヶ月以上BC州に滞在予定
  • 学生ビザ:6ヶ月以上有効なビザ保持者(月75ドルの費用負担あり)

※観光ビザなどの短期滞在者は加入することができず、実質ワーホリビザで入国した方の取得は簡単ではありません。

受診までの流れ

受診までの流れや当日の検診状況は、クリニックや医師によって異なる可能性もありますが、私の体験を基に実際に行った流れを紹介します。

予約方法

まずは子宮頸がん検診を行っているクリニックを探します。自宅近くのウォークインクリニックへ問い合わせるか、下記ウェブサイト、BC Cancerのホームページに登録のあるクリニック一覧から選んで電話予約またはWebで予約を行います。

BC Cancerのウェブサイト:http://www.bccancer.bc.ca/screening/cervix/clinic-locator

■BC Cancerでクリニックを探す際の注意点

BC Cancerウェブ内に登録のあるクリニックの中には、自然療法医学を使用している所もあり、その場合にはMSPのカバーがない可能性があります。

クリニック紹介欄には以下のそうな記載があります。

『Please note: This is a naturopathic clinic. Services offered, including pap tests, may not be covered by MSP.』

実際に2カ所ほど問い合わせたところ、自然治療を取り入れているこのクリニックの子宮頸がん検診は$100近い自己負担がかかる、または一部は後日申請すれば返金されるとのことでしたが、検査方法が若干異なるような印象を受けたので、私はこの記載のあるクリニックを避けました。

ウォークインクリニックへ予約なしで行ってみるのも良いですが、タイミングよく女性医師がいない場合もあるので、事前の電話やWeb予約がオススメです。

実際に私が家の近くにあるクリニックへ最短日でお願いし予約をしたものの、実際にPap testを実施できたのは1ヵ月先でした。

当日の流れ

当日持参が必要なものは何もなく、検診がしやすいようにスカートで行ったものの、結局は使い捨てタイプの紙でできた服を着用するよう指示があったため、意味はありませんでした。

医師から質問された内容

  • 前回のパップテストはいつか
  • 月経に関する質問(周期・様子・何か異変はあるか 等)
  • 妊娠と出産経験の有無
  • 性行為の有無と痛みの有無
  • 避妊薬の使用有無

検診では乳がんの触診も行い、結果10分程度で完了しました。

受診後

結果に関しては、クリニックから専門の医療機関へ採取した細胞を送付するため、1~2か月程度はかかるようで、基本的には受診したクリニックから電話で結果が連絡されます。

もしも精密検査が必要と判断された場合には、クリニックから専門医へ紹介状を出すという流れになります。

健康診断(checkup)について

MSPを持っていれば健康診断(Checkup)も無料で受けれるので、子宮頸がん検診ついでに健康診断の予約も入れました。

私が受けた診断の流れは、まずクリニックへ健康診断の予約を入れ、後日医師から電話で問診を受けました。質問内容はアルコール摂取量・喫煙有無・妊娠有無・生理状態・生活習慣に関する質問などから始まり、個人ごとの症状や心配な点によって質問内容は変化していくかとは思います。

恐らく一般的には、MSPがカバーできる健康診断項目として、血液検査と尿検査の実施を促されます。電話後に送られてきた医師からの紹介状をもとに、近くの指示された検査場へ行き、後日同じ医師から結果をもとにした回答やアドバイスがもらえるという流れでした。

何か問題点が発覚した場合には、クリニックの医師からスペシャリストへつないでもらえる流れとなるようです。

比較的簡易な検査のみでしたが、無料で行えるということもあり、ぜひ定期的に健康診断を行うことをオススメします。


海外在住における不安な点の一つが、病気や怪我の対処法かと思います。今回は女性が定期的に受診するべき子宮頸がん検診について、長期滞在者であればここカナダで受診しておきたいところ。しかし私もはじめはどこで検査できるのか、いくら掛かるのか、英語で対応できるか不安要素がたくさんありました。しかし実際に受診してみると、何も難しいことは一切なく、スムーズに完結しました。

BC州ではMSPを持っていれば無料で診察してくれるので、今回の記事を参考にぜひ定期的な受診を心がけて下さい。

コメント

  1. Hono より:

    こんにちは。
    子宮頸がん検診の記事読まさせていただきました。差し支えなければどちらのクリニックに行かれたか教えていただけませんでしょうか。

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